オーストラリアの居住者/非居住者、会計年度とアルバイトの税率(所得税率)
オーストラリアの居住者(Resident)と非居住者(Non-Resident)の違い

オーストラリアの税金のお話をする前に、勘違いしやすい点をおさらいしておきます。
外国人(Non-Resident:非居住者)=教育・医療のサービス等を受けないから
所得税は安いはず。
居住者(Resident:現地人)=教育・医療のサービス等を受けるから
所得税は高いはず。

オーストラリアの税法上、これは大きな勘違いで、実際は
逆です。

オーストラリアで働く
外国人(Non-Resident)の所得税は居住者より高いです。

Australian Taxation Office(ATO)のWebサイトに質問に答えていくと、自分の税法上のスティタスを

知ることができる、
Residency Testのページがありますが

https://www.ato.gov.au/Calculators-and-tools/Are-you-a-resident/
大雑把に言うと会計年度内に6ヶ月以上オーストラリアに住む予定なら居住者になります。

Next step: Are you resident? から質問に答えていくと結果が表示されます。

この、オーストラリアの居住者(residency)の定義は法律によってバラバラです。

結果的に、6ヶ月以上オーストラリアに住んでいたら

Immigration法上ではnon-resident(非居住者:教育や医療制度を受ける権利はない)でも

TAX法上はresident(居住者:観光客と違って税金は納める義務がある)の扱いになります。
オーストラリアの会計年度

税金を納める根拠となる収入(アルバイト料)を受け取る年月にも注意が必要です。

オーストラリアの
会計年度は毎年7月1日に新しい年度が始まり、次の年の6月30日で締め切ります。

この間に得た収入を基に所得税が計算され、あらかじめ給料天引きで納めた源泉徴収の税金合計と

6月30日に締め切った年間の収入に応じて計算される所得税との差額をタックスリターンで申告します。

リターン(返金)という呼び方ですが状況によっては税金を追加で納める必要がある場合もあります。

タックスリターン申請は7月1日から10月31日までに行い、

返金は2~3ヵ月後迄に指定口座に振り込まれるか、小切手で返金されます。
くれぐれも、税金が全額戻ってくる訳ではありません、
収めるべき税金と実際に収めた税金の差額が戻ってくる(場合によっては追加で納める)です。

タックスリターンの手続はアルバイトをした人や銀行預金の利子収入が1ドル以上ある人は

必ず行わなければいけません。

また、日本に帰国した後でも、帰国前に収入があった人はタックスリターンの手続きが必要です。
オーストラリアの所得税率

オーストラリアの個人(法人ではない)の所得税は

Resident(居住者)とForeign Resident(在留外国人)で税率が異なります。

2015-16年度(2015年7月1日より適用)
Resident(居住者)所得税率 (2012-13年度、2013-14年度、2014-15年度も同じ税率でした)
課税所得・グロス (税引前給料合計) | TAX | 日本円概算所得 (\80/AU$) | 限度額の最高税率 |
0 – $18,200 | Nil | 146万円まで無税 | 0% |
$18,201 – $37,000 | 19c for each $1 over $18,200 | 146万円―296万円まで | 9.65% |
$37,001– $80,000 | $3,572 plus 32.5c for each $1 over $37,000 | 296万円―640万円まで | 21.93% |
$80,001 – $180,000 | $17,547 plus 37c for each $1 over $80,000 | 640万円―1440万円まで | 30.30% |
$180,001 and over | $54,547 plus 45c for each $1 over $180,000 | 1440万円以上 | 30.30%+超過分 |
Foreign-Resident(在留外国人)所得税率 (2012-13年度、2013-14年度、2014-15年度も同じ税率でした)
課税所得・グロス (税引前給料合計) | TAX | 日本円概算所得 (\80/AU$) | 限度額の最高税率 |
0 – $80,000 | 32.5c for each $1 | 640万円まで | 32.5% |
$80,001 – $180,000 | $26,000 plus 37c for each $1 over $80,000 | 640万円―1440万円まで | 35% |
$180,001 and over | $63,000 plus 45c for each $1 over $180,000 | 1440万円以上 | 35%+超過分 |

Resident(居住者)は146万円まで無税 手取り=146万円

Foreign-Resident(在留外国人)は146万円の給料で 手取り=146X(1-0.325)=99万円(47万円の税金)

6ヶ月以上の滞在でも入国の時期によっては無税の枠が変わる?

入国年度の6月30日↓ 7月1日から 次会計年度

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146万円まで無税↑ 次会計年度146万円まで無税

6ヶ月間の滞在の場合、会計年度をまたがる滞在だと、それぞれの年度の滞在日数が6ヶ月未満となり

在留外国人の税率で税金がかかってしまいます。

(2016.07.20)