ワーキング・ホリデー税(ワーホリ税・バックパッカー税)導入延期

オーストラリアがワーキング・ホリデーの渡航先として日本で1番人気がある理由の一つに

所得税が他の国に比べて少ないというのがあげられます。
ワーキング・ホリデー人気国の記事はこちらです。

例えば、年間所得が約300万円とした場合で

ニュージーランド、カナダ、オーストラリア(現状)、オーストラリア(新制度)比較すると。
New Zealand (2016) Maxで円換算すると (¥73/NZ$)

Over NZ$14,000 and Up to NZ$48,000
17.5% 350万円 の収入で 54万円の税
Canada (2016) Maxで円換算すると(¥80/CA$)

On the First CA$45,282
15% 362万円 の収入で 54万円の税

Australia(2016年の現状)
Australia (2016) Resident(居住者)所得税率 Maxで円換算すると(¥80/AU$)

$18,201 – $37,000 (18,200超過分)
9.65% 296万円 の収入で 15万円の税
Australia (2016) Foreign-Resident(在留外国人)所得税率 Maxで円換算すると(¥80/AU$)

0 – $80,000
32.5% 320万円 の収入で 104万円の税
現状ではオーストラリアResident(居住者)の所得税が格段に少ないことがわかります。

オーストラリアの現状の税制度は前会計年度(前年の7月1日から今年の6月30日まで)に

6ヶ月以上オーストラリアに滞在したか否かで税率が変わってきます。
滞在期間の違いによる所得税率の違いの記事はこちらです。

現在はビザの種類(学生ビザ・サブクラス500、ワーキング・ホリデービザ・サブクラス417)に関係なく
オーストラリア滞在期間によって9.65%(6ヶ月以上)や32.5%(6ヶ月未満)の税率が適用されています。
新制度はワーキング・ホリデーはForeign-Resident(在留外国人)とみなすです。

アルバイトの所得税が少ないオーストラリアですが2015年の中国の鉄鋼ブームの終焉と共に

鉄鉱石や石炭の輸出価格が下落しオーストラリアの主要産業の収益が悪化し

国の税収にも大きな影響を与えています。

住んでみてわかることですが、整備された道路や管理が行き届いた美しい公園、

難民や移民を受け入れて英語を教え手当まで支給している国です。

税収が赤字になるのは容易に想像がつきます。

2015年5月にアボット前政権は税収増を狙い「バックパッカー税」と呼ばれる新税制を発表しました。

これは年収が18200豪ドル(約146万円)以下なら非課税ですが、2016年7月からは

収入に32.5%が課税されるという内容でした。

これに対し、長年海外の若年労働力に依存してきた農業や観光業界から

『ワーキング・ホリデーで来豪する人が減る!!』と強い不満が上がっていました。

また、オーストラリアでは2016年7月2日に総選挙があったために、

農家などの反発を恐れ2016年5月に、導入を2017年1月1日に延期すると発表しました。

与党・保守連合にもバックパッカー税の導入に反対する人もいるため、

選挙の結果次第では導入が廃案になる可能性もありました。

2016年7月2日の連邦総選挙では下院150議席中、

与党保守連合が76議席(改選前は90議席)を獲得し、労働党69議席、諸派無所属5議席と

かろうじて過半数の75議席を上回り単独で内閣を組閣しました。

しかしながら、議席を大きく減らしたこと、与党の中にもバックパッカー税導入に反対者がいること

労働党が反対していることを考えると今後の動向は不安定なままです。
ワーホリ税・バックパッカー税は2016年10月中旬までに見直すと言われています。

ワ-キング・ホリデーで人気があるニュージーランド、カナダ、オーストラリアの所得税を比較すると

New Zealand (2016) Maxで円換算すると (¥73/NZ$)

Up to NZ$14,000 10.5% 102万円 の収入で 11万円の税

Over NZ$14,000 and Up to NZ$48,000 17.5% 350万円 の収入で 54万円の税

Over NZ$48,000 and Up to NZ$70,000 30% 511万円 の収入で 102万円の税

Canada (2016) Maxで円換算すると(¥80/CA$)

On the First CA$45,282 15% 362万円 の収入で 54万円の税

On the Next CA$45,281 20.5% 725万円 の収入で 129万円の税

On the Next CA$49,825 26% 1123万円 の収入で 232万円の税

Australia (2016) Resident(居住者)所得税率 Maxで円換算すると(¥80/AU$)

0 – $18,200 0% 146万円 の収入で0円(無税)

$18,201 – $37,000 (18,200超過分) 9.65% 296万円 の収入で 15万円の税

$37,001– $80,000 (37,000超過分) 21.93% 640万円 の収入で 90万円の税

Australia (2016) Foreign-Resident(在留外国人)所得税率 Maxで円換算すると(¥80/AU$)

0 – $80,000 32.5% 640万円 の収入で 208万円の税

$80,001 – $180,000 (80,000超過分) 35.0% 1440万円 の収入で488万円の税

もしワーキング・ホリデーに Foreign-Resident(在留外国人)の所得税率が適用されると

2017年からは滞在期間に関係なく$80,000までは32.5%の所得税がかかることになります。

(2016.08.01)